「朝起きられない」でお悩みの方
睡眠・覚醒相後退障害 すいみん・かくせいそうこうたいしょうがい
睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD:Delayed Sleep-Wake Phase Disorder)は、社会的に許容される時刻に寝つくことや目覚めることが慢性的に困難であり、多くの場合2時間以上遅れたある一定の時刻になってやっと寝つくことができます。学校の試験などの大事なスケジュールがある時でも決められた時刻に目覚めることができず、なんとか無理をして目覚めたとしても、午前中はからだの不調のために勉強や仕事を行うことが困難な状態になります。
症状
希望する時刻に寝つくことができない、朝も希望する時刻に起きることができない。
昼頃に目覚めたとしても眠気や頭痛・頭重感・食欲不振・易疲労感があるなどの症状がよく出ます。
検査・診断
まず、自身の睡眠・覚醒リズムを知るために最低でも7日間(14日間が望ましい)の睡眠日誌を記載していただきます。その日誌のデータより睡眠時間の開始と終了が社会的に許容される時間より相対的に、習慣的に遅れていることを確認し診断します。
治療
睡眠日誌をもとに規則正しい生活を送るための指導を行い、睡眠・覚醒リズムの改善を目指します。
受診前にご自分の生活リズムを知りましょう
睡眠日誌はご自分の睡眠-覚醒リズムの特徴を知るだけでなく、生活における改善点を考えるきっかけになります。
睡眠日誌を1か月間記入してご自分の生活リズムを知り、下記の1~4も実践してみましょう。お困りの症状が改善するかもしれません。
1ヶ月実践されても改善されない場合は、当院にご相談ください。
1.光の利用でよい睡眠を
・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をリセット
・夜は明るすぎない照明を
2.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
・朝食は心と体の目覚めに重要、夜はごく軽めに
・運動習慣は熟睡を促進
3.昼寝をするなら、15時前の20~30分
・長い昼寝はかえってぼんやりのもと
・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
4.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
・睡眠薬代わりの寝酒は深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因